
最後はやはり、シャロン・メイ・デイビス先生の解剖セミナーです。
何度もこすり倒しているネタで恐縮です。
馬の運動の基本の「キ」、馬の立ち方の話しです。
我々装蹄師や獣医師だけではなく、ライダー(特に馬場)の方々も知っておくと良いのではないか??と個人的には思っています。
~ パテラ・ロック について ~
シャロン先生の解剖セミナーでは他にも色々と学びましたが、やはりこのパテラ・ロックが一番印象的でした。
馬には(立ったまま寝れる草食動物)長時間立っていても疲れない身体の仕組みがあります。
四肢の安定機構(Stay Apparatus・ステイアパラタス)といいます。
前肢には受動的支持装置(体重を受ける事によって体を支える仕組み)があることは前回か、前々回かでお話ししたと思います。
今回は後肢で、パテラ・ロックと言います。(正式名称かはわかりません)
馬は膝蓋骨を動かしてロックさせる、後肢が1本の丸太のように「ビーーン」と伸びて動かなくなります。
シャロン先生の解剖セミナーではグニャグニャの肢がロックしてピーーン!!となる状態を実際に体験できます!!。それがスゴイ!!。
前々回かその前かでお伝えしたように、馬の肢は2関節筋になっており、肢関節は全て(前は肩関節以下、後ろは股関節以下)が連動して動きます。
すなわち、股関節だけとか、飛節だけとか、球節だけとかを単体で動かす事ができません。
連動しているがゆえに、1カ所を止めると止まる仕組みになっているようです。
そのストッパーが膝蓋骨になってます。
大石先生のお言葉をお借りしますれば、「骨学的に」非常にかっちりと止まります。(前肢は後肢ほどカッチリとは止まりません。)
私はこのパテラ・ロックのカッチリとした支持機構を是非とも体験していただき、
「え!? 馬のトモってこんなにスゴイの!?。」
と、体感して頂きたく願っております。
こういう基礎的な事柄の積み重ねが、その後に来る常歩、速歩、駈歩、ギャロップなどの運動学への確たるアプローチになると思っております。
「その跛行は俺じゃない」と思う事が多々あります。
しかしながらそれを反証することは大変困難です。
解剖研修、セミナーに参加し、わずかな「事実」だけを積み重ねていく事で責任範囲をもう少しクリアーにできれば、将来的にはチームの一員になれるかと思ったりします。誰かが。
写真をトリミングしたかったのですが、PCの具合がダメダメでできませんでした。
スイマセン。
買い替えかな~。