暑いので、本日はデスクワークです。
解剖研修でこんなことを学んでおります。
の、3回目です。
お題は、「受動的支持装置」です。(前肢)
平たく言いますと、前肢が体重を受ける事によって筋肉をあまり使う事なく立っていられるシステムのことです。
つまり、立っていてもあまり疲れない。
つまりのつまり、立ったまま寝れるのはこのシステムを持ち合わせているからだと言われております。
~受動的支持装置~
馬の肩甲骨と上腕骨の間、肩関節(馬で言うと肩端とか、胸前でしょうか)部分に腱製の繊維が硬くなった?種子骨(種子骨様骨?)があります。
※角度が急で負担がかかる関節には(必ず?)種子骨が存在するそうです。
ちなみに、今回の肩関節の種子骨は
fibrocartilaginous segment っていうやつだと思います。日本語は見つかりませんでした。
まずは、
① 種子骨に上腕骨の中間結節(たぶん)という3つある出っ張りのうちの真ん中の出っ張りを種子骨にひっかけます。
種子骨側のくぼみはものすごくわずかで、本当にこれでひっかかって、体重を支えきれるの?? と、おもうほどわずかな凹みです。
② 種子骨に上腕骨の中間結節がひっかかったら、(たぶん首を前に出して)体重を肩に乗せるそうです。
私が個人的に思ったのは、後肢を片方浮かせて立つ馬はもしかすると体重を前にかけたがっている(受動的支持装置を使いたがっているのではないか??)というのがあります。
③ 肩甲骨に体重が乗ると肩甲骨が回転し、その影響で上腕二頭筋が引っ張られます。(収縮ではない)
上腕二頭筋に付着している撓側手根伸筋もそれにつられて上方に引っ張られ、前肢を支持固定するそうです。
馬の身体って本当に良くできていますよね~~。
馬はアシを伸ばすのが構造的に得意な動物だと私は思っております。
結果、馬学講座で青木先生も仰ってましたが、「ホッピング」のように動くのではないかと思っております。
ここで疑問に思うのは、
種子骨と上腕骨の凹と凸の関係(ひっかかりの関係)が非常にわずかである、シビアであるということです。
もしかすると、この「受動的支持装置」がなんらかの外傷などで破綻している馬たちがいるのではないか??と、思うのです。
受動的支持装置が破綻していれば当然「立ち疲れ」があり、それをかばう「立ち方」「肢勢」が後天的にでているのではないか??
不同蹄の平蹄はその負の産物ではないのか??
などと思ったりもします。
この疑問を携えて、次回の解剖研修に臨みたいと思っております。