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鉄とコークスについて。
雨なので投稿しま~す。
装蹄教育センターで必ず使うコークス。
鉄をも溶かすその熱量に泣かされた人も多いかと思います。
キレイなんですけどね~・・・鉄が溶けると・・・
線香花火みたいにパチパチと・・・。
今回はそんなコークスと鉄に関してです。
最近歴史がちょっとマイブームなもんで、すいません。
鉄は紀元前3,500年頃、隕石の中で遊離した鉄(隕鉄という)や、地表に露出した鉄鉱石が火山によって変化したものを利用したのが始めとされています。
紀元前1,500年、アナトリア半島(現在のトルコのアジア部分)(ボールペン先端あたり)、ヒッタイト帝国が製鉄技術を持った。
当時ヒッタイトでは製鉄技術は国家機密であり、技術者を塀で囲い門外不出とした。
鉄器を持ったヒッタイト帝国は最強となり、古バビロニア王国やエジプトと戦い勝利した。
青銅器より鉄器の方が硬く、強い。
ヒッタイトの崩壊とともに技術者が離散し、世界に製鉄技術が広まったと言われている。
日本では弥生時代の紀元前200年頃、青銅器とともに鉄器が大陸から伝わったとされる。
余談だけど、
古事記に出てくるヤマタノオロチ伝説で、スサノオノミコト(天照皇大神の弟)が退治したヤマタノオロチのシッポを切って出てきたのが草薙の剣(三種神器)。これが見事な鉄剣で、天照皇大神に奉納し、現在は愛知県の熱田神宮に奉納されている。
この草薙の剣が日本初の鉄剣だったとか。
で、
ヤマタノオロチとは実は製鉄技術を持った出雲族(たたら技術)だったとか。
❮天照皇大神は高天ヶ原系(天つ神系)、土着だったのが出雲族系(国つ神系)。国譲りのお話し。❯
あるいは、遠くロシアのオロチョン族だったとか。
ちなみに、草薙の剣とは後に転じた名前で、ヤマタノオロチから取り出した時は雨(天?)の叢雲(アメノムラクモ)という名前だったらしい。
なぜ名前が変わったのか、不思議である。
σ(-_-;)
鉄は地中海ラテン語でFerrum、どことなく我々装蹄師のFarrierに似てるね。
たぶん火を扱う者って意味でもあるのかもね。
鉄鉱石を原料に鉄を作るんだけど、最初は森林を伐採して木炭を作って、それで鉄鉱石を溶かして製鉄してたようです。
当然鉄の需要は高く、森の木々は伐採で激減。
イギリスなんかも昔は濃い森林地帯だったのが、この伐採のために原っぱになってしまったとか。
次に目を付けたのが石炭。
ただ、石炭で製鉄をすると、石炭にはイオウが含まれていて、それが鉄にまざるともろくなるんだと。
そこで、
石炭を1,200℃の高温で蒸し焼きにして、石炭の中の炭素以外の不純物を揮発させるんだと。
これが、コークス。
つまり、
コークスを使うことによって純粋な鉄を作ることが可能になったんだそうです。
m(_ _)m
コークスって造鉄でも使ってるけど、その前段階の製鉄で重要な働きをしてたんですね~。