装蹄技術向上研修会

本会では、装蹄の技術・知識両面の向上を目的として「装蹄技術向上研修会」を毎年開催しております。この研修会には本会に加盟する装蹄師(正会員)は勿論のこと、共に装蹄を学びたい個人や企業(賛助会員)も参加し、時には他地区の装蹄師会の方や獣医師の方等も交えて、意見の交換や討論などを行うなどしております。

2009年度 研修会 レポート

関東装蹄師会

「蹄機作用」とは蹄が着地または離地する際におこる、蹄の後半部分の拡張と収縮のこと。
従来の釘で蹄鉄を装着する方法と最近話題の接着剤で蹄鉄を装着する方法。
または、蹄鉄を装着していない蹄では、どのような影響があるのか?
JRAで科学的に検証した結果をもとに研修しました 科学的な検証のためには、測定機材や素材の進歩が不可欠!

関東装蹄師会

科学的な検証のためには、測定機材や素材の進歩が不可欠!
写真は筒状の素材の中をワイヤーがスライドして動きを測定するセンサ。太さはスパゲティより細い。

関東装蹄師会

今回の被験馬は、すべてこのような方法で、センサが装着され、どの被験馬も同様の部分でデータが測定できるように設定されました。
後の討論では、より現場で装蹄する際に重要になる部分の数値の測定は可能なのか?とか、蹄全体を3Dで測定することで、より蹄の負担が把握できるのでは?
でも、その方法は?・・・など等、様々な質問や意見が出され、討論されました。
現在のところ、この方法が最も正確に測定できる最良の方法のようです。

関東装蹄師会

実際に測定されて出てきた数値がグラフにまとめられています。

関東装蹄師会

従来から考えられていた数値と酷似しているものや今回の検証で新たにわかった実態などなど中には今後更なる検証を待たなければ、
中には今後更なる検証を待たなければ、現時点では早急には結論を出せないものなど、いろんな要素がありました。

関東装蹄師会

近年、釘で蹄鉄を装着する以外にも接着剤を用いて装着する方法や、特殊蹄鉄、充填剤、パットなど、様々な装蹄に関する製品が登場しています。
利点だけが注目されて、弊害については、ついつい忘れがちになるものですが、どんな便利な製品にも一長一短があるものです。

関東装蹄師会

今回のように科学的に検証することでより長所と短所が具体的に把握できるようになるのではないでしょうか?
長所と短所を把握した上で、状況に応じて使い分けることが、我々装蹄師をはじめ、馬関係者求められるのではないでしょうか?

関東装蹄師会

2009年の研修会では、鉄桿造鉄(鉄の棒材から蹄鉄を手作業で、制作する技術)の実技練習も行いました。
通常、現場で使用する蹄鉄はメーカーが機械で制作したものを馬に合わせて調整して使用するのが、現在では一般的になっています。

関東装蹄師会

しかしながら、機械製の製品には無いサイズの蹄だった場合や疾病損傷などで既製の蹄鉄では対応できなかった場合には、
オーダーメイドで自由自在な蹄鉄を制作する技術が求められることになるでしょう。
鉄の棒材から蹄鉄を制作する場合、基本的に左上の写真のような工程で制作します。

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