2019年12月8~10日の3日間、シャロン・メイ・デイビス女史による解剖セミナーに参加してまいりました。
シャロンさんはオーストラリア出身で、ホーストレーナーであり、マッサージ師であり、解剖学者であります。
今までに500頭くらい解剖をしているそうです。
500頭の解剖に裏付けされている解剖学、バイオメカニクスの知識は大変素晴らしく、また、その陽気な性格で楽しくかつ、わかりやすく説明してもらえました。
・強いハミは前肢、後肢ともにその可動域を狭くさせる。特に肩、股関節。(首内部の筋肉が萎縮して)
・蹄壁を剥がすと球節の屈曲は戻らない。
・肘関節に多大なダメージがある。
・釘締めのときに肢を前に出すのを嫌がるのは肘関節に問題がある(痛い)から。
・屈腱炎と肘関節の炎症も関連している。(屈筋腱の付着部は肘であるため)
・前肢も後肢も蹄尖が長いのはよくない。(半回時のテンションではなく、駐立時での肢の支持バランスの問題として)
・後肢の蹄尖の長いもの、内側の過高のものはパテラ・ロックの機能を阻害する傾向がある。
以上が今回の参加者で共有できた主な事項だと思います。
個人的には、装蹄師さんには「パテラ・ロック」(膝蓋骨が後肢を伸ばした状態でロックする機能)と、「前膝かっくん」(前膝をゆっくり曲げていくとある角度から半自動的にかっくん!と、前膝、肘関節、肩関節の3関節が自動的に連動して動き、前肢を前に出す機能)が体験できたらいいなぁ~・・・と、思っております。
今年も大変刺激的な3日間でした。