変な装蹄師の独り言。
書き捨て御免。 m(__)m
後肢の不具合って難しくないですか???。
なんならまだ明確に跛行してくれればこちらとしてもアプローチのしようもあるのですけど・・・
多くの馬が「飛節内腫」という一種の骨瘤をかかえているのも事実で、でも、飛節内腫に対して明確なアプローチが確立されていないのも事実のような気がします。私が知らないだけかもしれませんけど~。
飛節・・・ それは、馬の持つ最も大きなブラックボックスなのではないか!? と、思っております。
思い起こせば2011年3月11日。 東日本大震災の後。
とある高校馬術部も被害を受け、部室を掃除したときに・・・
後肢の骨標本が出てきました。
藤田さん馬の肢の骨いりませんか?? と聞かれ、0.3秒でちょうだいと即答しました。
(゜ロ゜; 欲しいっ!!
残念だったのは飛節を構成する8個の骨のうち、真ん中の1個が紛失していたことです。
しげしげとそのいただいた馬の後肢の骨標本を眺めていると、あることに気づきました。
飛節には踵骨滑車(きょこつかっしゃ)というドアノブのような関節があるのですが、その関節の軸が肢軸(指軸)に対して斜めになっているのです。
??? なんで ??? σ(-_-;)
海で昆布のダシが出ない以上の ??? なんで ???
だって不自然じゃないですか??
蹄骨から始まる指軸の関節は、地面に対しておおむね垂直、関節の軸は水平です。
これはだれがどう見ても地面と肢との力のやりとりの効率上素晴らしい設計であると言えます。
その精緻さは神の存在をも感じさせます。
それなのに、あ~ それなのに、それなのに・・・。
なぜ? Why???
距骨滑車の関節軸は斜め、つまり地面と馬体との力のやりとりの効率を下げているのでしょうか???。
眠れません・・・。 こんなに眠れないのは「地下鉄がどこから入ったか?」以来です。
初めは奇形か?? と思いましたが、骨の本のどれをひっくり返しても距骨滑車が「斜め外」に向いているので、どの馬も、そう、あなたの馬の飛節も例外なく軸がズレております。
もう震災いらい6年、この飛節の不思議についてぼんやり考え続けております。
きっとこの「軸ずらし」の構造が馬の動きの秘密を握っているのではないでしょうか??
ちなみに、飛節内腫はこの構造的欠陥が原因ではないか?
と、言われております。
ちなみに、ちなみに、
この項目を読んで飛節を身近に感じてもらっても、飛べなかった高さの障碍を飛べるようになれる訳でもありませんし、出来なかったピルエットができるようになる訳でもございません。
残念です。 m(__)m 申し訳ない。
長くなったので、今日はここまで。
写真の1枚目と2枚目は同一馬の右後肢、前面です。