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解剖研修でこんなこんなことを学んでおります。

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 公獣協・上田会長、本会・藤平会長の尽力の下、関東装蹄師会の構成員は毎年地全協教養センターで行われる獣医師生涯研修に参加できる事になっております。

 私は解剖(学)が好きなので、大石先生の解剖の講義でこんなことを教わりました。ということを今回は書いてみようと思います。

 今回は筋肉と馬の肢の構造の基本についてです。

 ~筋肉~
 どんな形の、どこの筋肉も基本構造である筋細胞は同一構造である。

 長い筋肉は筋細胞が縦に長く並んでおり、伸び縮みの幅がたくさんあります。つまり、関節の可動域が多く取ることができます。

 広い?筋肉は可動域は狭いですが、収縮力が強い筋肉です。

 ~肢の構造~
 馬の上肢部は電車のパンタグラフのような構造になっており、重たい身体のショックを吸収、分散させるようになっています。

 上から、屈→伸→屈・・・と規則的に屈曲方向が入れ替わっています。
 後肢、球節のみが規則的ではありません。が、点線のようにはいかないのでしょうがありません。

 ~2関節筋~
 馬の肢の筋肉は「2関節筋」になっています。
 
 通常、関節と筋肉との関係は一つの関節を曲げるのに1対の筋肉(屈筋と伸筋)が付着していますが、馬は1対の筋肉が2つの関節をまたいで付着しています。(肩、尻から順番に)

 2関節筋の構造によって、2つの関節を同時に曲げ伸ばししており、これが上から順番に2関節ずつ付着しているので、「連動」して動かすのを可能にしています。
 
 連動させることにより、運動的にも、エネルギー的にも効率よく動かせるようになっております。

 逆に言いますと、馬の肢の関節は「1つだけ」を動かすことはできません。

 前肢も後肢も球節を屈曲させたければ前膝、肘、肩を、飛節、後膝、股関節をそれぞれ動かさなければいけません。

 この「連動性」によって、逆に、受動的支持装置(前肢は上腕骨の骨頭、後肢は膝蓋骨(パテラ)という1か所をロックすることにより、筋肉を(あまり)使わずに立っている事ができるシステム)が可能になっているようです。

 いや~~~
 馬の身体って、本当に良くできていますよね~~。

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